PROJECT TREE/理化学研究所/インドネシアゴム研究所との連携 – 葉枯れ病対策の霧状噴霧処理(2025年9月)
今日、ゴム農園はペスタロティオプシス(葉枯れ病)によって深刻な被害を受けています。本病害は光合成を阻害して落葉を引き起こし、 ゴムの生産性を低下させることで、天然ゴム加工工場にも影響を及ぼします。こうした課題に対処するため、 PROJECT TREEは日本政府による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS*)「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発」 の研究代表機関である理化学研究所およびインドネシアゴム研究所(IRRI)と協力し、バニュアシン県とムアラエニム県(調整中)で噴霧処理プログラムを開始しました。 本プログラムは10人以上のPROJECT TREE加盟農家を対象に、アンケート調査(葉枯れ病に対する経験と課題を把握)、現地視察(農園の状態を評価)、 研修(効果的な方法を紹介)、噴霧実習(研修技術の実践)を組み合わせて実施しました。農家には殺菌剤混合物(懸濁液濃縮物)の調製方法について適切な研修を行いました。 霧散布を実施したのは、微細な霧を発生させ殺菌剤を樹冠や葉の裏側まで効果的に到達させることで、より効果的な防除効果と病害防除を狙っています。これらの活動を通じて、 葉枯れ病を効果的に管理するための知識と実践的な技術を強化しています。
*Project TREE (Transparent Rubber Ecosystem for Earth) は、伊藤忠商事株式会社が企画/開発した天然ゴムの取引~出荷に至る透明性と供給の持続可能性を高める新たなプロジェクトです。農家の人権、及び違法な森林伐採から環境を守り、農家の生産性向上に貢献します。
*SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)とは、地球規模課題の解決に向けた日本と開発途上国との国際共同研究を推進するプログラムです。独立行政法人国際協力機構(JICA)と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が、国際共同研究全体の研究開発マネージメントを協力して行います。

